はじめに

ショートヘアの女性

医療用ウィッグのJIS規格が制定されたのは平成27年(2015年)4月のことで、細かい点が規定されました。直接、頭皮に接触する部分は身体に対しても影響がありますから、皮膚への刺激はどうなのか、有害物質の検出の頻度などが決められています。さらに、使用頻度が高くなると耐久面の性能も問題があります。試験方法を細かく定められています。

症状に応じて脱毛の量も異なってきますから、サイズも変化してきます。頭皮をどのように保護しているのかなどチェックしなければならないポイントもあるでしょうこの、Webサイトでは【抗がん剤の治療で脱毛した人が一時的に着用する医療用ウィッグの基礎知識】について深く掘り下げていきたいと思います。どういった特徴があるのか、実際に購入したときに、どのようなことに注意すれば良いのかをご紹介していますので参考にしてみてください。

医療用ウィッグに必要とされるポイントとは?

金髪の女性

すぐにウィッグを着用できるかどうか

医療用ウィッグを、どのタイミングで購入するかは難しい問題になるでしょう。何故ならば、オーダーメイドで依頼する場合は1か月以上かかることも普通ですから、脱毛の期間に間に合わなくなってしまうこともあります。脱毛後になってバタバタと注文すると入手できる時期が回復期に入るとサイズが合わない場合も起こりえます。医療ウィッグを選ぶ場合には購入してからすぐに着用できて、脱毛の状況に応じてサイズが調整できるようなタイプが理想的です。

フィッティングに違和感がないかどうか?

医療用ウィッグは日常的に利用することが多くなるので、着用感は大切なポイントになり、サイズの安心感や締めつけ具合やお肌との接触感やトータルのしっくり感での判断になります。メーカーによって製法・髪の質・裏地などの素材が違いますので、好みの医療用ウィッグを見つけるためには、できるだけたくさんのメーカーを試してみることをお勧めします。購入したあとも、下に着用するインナーキャップやネットを試して見ましょう。ガーゼを使って付け心地に微調整をするとフィット感が良くなることもあるのです。

お洒落感があるかどうか?

自然でウィッグに見られないお洒落感を求めますが、自然であることを追究すればするほど不自然が気になってきます。あまりにもこだわってしまうと精神的にもマイナスになります。お洒落もいいのですが、似合っていることが一番大事だと考えるといいでしょう。普段はできなかったカラーを思い切って選ぶこともありですね。

初めてショートスタイルにチャレンジすることもありですし、それに似合うようなファッションや靴を選ぶ……そうならば、お洒落に前向きになれるのではないでしょうか。

デリケートは頭皮への対策がどのようになっているのかどうか?

抗がん剤を使っている場合は副作用の影響があって頭皮はとってもデリケートになっていますから、直接頭皮に触れるウィッグや帽子は刺激が少ない優しいタイプを選ぶことが大切になります。脱毛する前は、髪の毛によって外気や紫外線から守られていたわけです。医療ウィッグは植毛されている毛髪の付け根部分の結び目が直接、頭皮に触れないようなデザインになっているものがいいでしょう。敏感肌の人に対しては優しい素材のものにこだわりたいです。

髪の毛のボリュームの変化に対応できるかどうか?

患者の状態によって脱毛してしまう髪の毛の量は大きく変化します。治療開始直後から脱毛期になり、脱毛期から回復期になるわけです。病気になる前のヘアースタイルがロングヘアだったり、髪の毛の量が生まれつき多かったりする人は、このギャップが大きくなります。医療用ウィッグは髪の毛の状態に応じてフレキシブルに対応できる機能があれば着用中の不快感や不安を解消・軽減することができます。

髪の毛がない状態のときには、外れたりしないかとか、ズレたりしないとか不安に感じます。これは医療用ウィッグがジャストフィットしていないことから生じます。またズレることを防止できる対策がないタイプを着用している場合に起こります。髪の毛があるときにウィッグを選んだからかもしれません。周囲調整アジャスターがついているタイプがいいでしょう。

周囲寸法は髪の毛の増減であまり変わることはありません。とりわけ抗がん剤治療で利用する場合の医療ウィッグは周囲調整アジャスター以外にも頭にフィットする機能があるかないかに注目するといいでしょう。

ユーザー目線の機能があるかどうか?

ウィッグ着用をしているときは夏の暑い時期以外でも、どうしても汗をかいてしまう特徴がありますが、かいた汗は直接的にウィッグにも影響があります。雑菌の繁殖や臭いによって頭皮へ悪影響があることはさけないといけないので、菌の繁殖を抑える加工があるかないかはポイントになります。

シャンプーなど清潔さを維持できるメンテナンスのしやすさもチェックしておきたいですね。ユーザー目線でどういった工夫や機能があるのかにも注目しましょう。

料金帯や信頼性はどうなのか?

医療用ウィッグはその金額が妥当なのかどうかがわかりにくいですね。健康保険の適用もありませんし、高額医療費の適用も認められていませんから、予算を決めてから複数のメーカーのものを比較検討しましょう。

医療用ウィッグとファッションウイッグの違いとは?

サングラスをかけた女性

医療用ウィッグを調べてみて驚くのが、その高額な費用で、10万円を超えることは珍しくありません。抗がん剤の治療や放射線の治療で脱毛状態になってしまうだけでもショックなのですが、さらに高額な出費となるとさらに衝撃が強いです。少しでもウィッグの購入費用を軽くするためには、医療用ウィッグよりもリーズナブルなファッションウィッグを医療目的に使用する方法があります。

医療用のウィッグはJIS規格の基準を満たした品質のウィッグで直接お肌と接触する部分が多くなるので、安全性の基準を決めているのです。具体的にはバッチテストを実施して、皮膚刺激指数を調べたり、洗濯や汗によって色落ちのしにくさを試験したりしています。

JIS規格は性質に注目した基準ですから、お洒落感などはまったく度外視しています。JIS規格の医療用ウィッグでも見た目が自然でなかったり毛質が気に入らないものもあったりすると思います。医療目的で選ぶ場合は、JIS規格をクリアしたウィッグを重要視するだけでなくて、見た目の自然さとか手入れのしやすさなども考えたほうがいいでしょう。毎日使うものですから使いやすいウィッグを選べばいいのです。

医療用ウィッグは価格の高さがネックですがオーダーメイドもできます

ウィッグの中にあるキャップが柔らかいメッシュ素材にされていたり通気性に優れていたりするデザインも出てきています。人毛で作られていたり、手植えされていたりと医療用に特化した作りのものが医療用ウィッグです。人毛を使っていると当然ですが、見た目は自然で違和感がありませんが残念ながら形状記憶ではありません。その都度、カールなどは自分で巻きなおさなければなりません。

オーダーメイドで利用者の希望に応じて医療用ウィッグを作ることもできますが、フルオーダーだけでなく、セミオーダーもあります。既製品もありますが、仕様によっては高めの価格設定になっている場合もあります。一般的な医療用ウィッグの既製品の価格帯は1万円から10万円と幅広い価格帯になっています。セミオーダーならば5万円から30万円・フルオーダーになると30万円から80万円です。

セミオーダーの医療用ウィッグは、ほぼ完成しているウィッグに対し希望にあわせてカットできるようになっています。フルオーダーならば、毛の素材やサイズから細かくリクエストできるのです。希望にある程度合わせて作る事ができるのがオーダーメイド医療用ウィッグの魅力になっているのです。

リーズナブルなコストで、お洒落を追求した既製品のファッションウィッグ

髪型をイメージチェンジしたり、ヘアアレンジ目的など、お洒落を重視したりするウィッグがファッション・ウィッグです。機械植えや人工毛で作られており大量生産ができるので価格は控えめになります。人工毛は基本的に形状記憶スタイルですから、自分でセットする必要はありませんが、絡み対策は必要になっています。

人工毛は摩擦によって乾燥すると絡みやすくなります。小まめに梳かして手入れする必要があります。医療目的で理容医するのは大丈夫なのかと思うかもしれません。しかし、ファッションウィッグの性能・品質は大きく進歩していますから医療用ウィッグと比較しても、見劣りしない自然な毛質のものもあります。価格が安くても総手植えしているタイプもあります。既製品ですから価格が抑えられるので、自然な毛質にするためのこだわりもありますが、それでも医療用ウィッグと比べても価格は安いです。

人工毛で機械植えのファッションウィッグならば1万円程度からあります。人毛で手植えしていても3万円ほどですから、お洒落目的ですからデザインも豊富です。元々あった自分のヘアースタイルに近いものも見つけやすいでしょう。

最近では医療目的で使えるファッションウィッグとして売り出しているものも増えています。価格が安いけれども高品質であるからです。人毛と人工毛をミックスしたタイプのウィッグもありますし、手植えをして、より自然な雰囲気になっているものもあります。汗が気になるならば通気性に優れたメッシュネットを使ったものを選ぶといいでしょう。

いきなり高額な医療用ウィッグを購入するのは躊躇しますよね。まずはお試しで購入する人も多いです。1本1本と丁寧に手植えされているものがお勧めで、自然で通気性と軽さに優れています。人毛をミックスしているものならば、見た目も自然ですからね。

全てが人毛になるとカールしたりする髪型は形状記憶ではありませんから手間がかかります。治療中や入院中の場合は負担になりますね。人毛ミックスのウィッグで、人工毛の比率を多くしているものはスタイリングもしやすいです。金額的には3万円から5万円ほどになります。

機械植えで人工毛100パーセントのものは完全に既製品になりますから、激安ですね。人毛に限りなく近づけるようなファイバー系の人工毛の場合は、ウィッグ特有のテカリを抑えてくれます。手触りも細いしサラサラで柔らかいですから自然な風合いになっています。人気の商品ですし医療用目的で利用される人も多いですね。デザインがお洒落ですし、自然な毛質で満足している人も多いとクチコミ情報サイトでも話題です。価格帯は8千円から1万円台ですから、本当にお試し価格で購入しやすいのではないでしょうか。

まとめ

カフェでコーヒーを飲むショートヘアの女性

いかがでしたでしょうか?抗がん剤の治療で脱毛した人が一時的に着用する医療用ウィッグの基礎知識を色んな角度からご紹介しましたので、十分にご理解いただけたと思います。これ以外にここでご紹介できなかった内容は別ページで随時公開してゆきます。合わせて参照してください。

医療用ウィッグとファッションウィッグを比べて、どちらを購入するか迷う場合もあるでしょう。予算が潤沢にあるならば医療ウィッグ一択です。ですが、ウィッグ初心者で不安があるならば、お試し価格程度で購入できるファッションウィッグを試してみることをお勧めします。自分が納得いく条件で線引きすれば選びやすくなると思います。